moon's refuge

槻*の織り成す言葉や世界観で詩や日記をメインに綴っていきます!((*´∀`))

林檎飴。(ぽえむ。)

「林檎飴。」

 

何気ない日常が今日もやってきた  

 

授業のチャイムが寂しくて

なんとなくつまらないあたし

 

先生の声にクラスメイトの喋り声

耳に入ってくるものすべてが遠く聞こえて

机に肘をついて

いまの気持ちをノートに書きだしてみる

 

「退屈 」

「友達」

それに「恋」

 

窓の外の男子を見ても

特に変わらず流れてくこの時間    

 

「クラスの みんなは 恋してるのかな…」

 

下校になって

ぞろぞろ帰り始める生徒たち

あたしはいつもぼっちなの

 

そのとき通る小さな公園

屋上よりも優しくて懐かしい風が

ふわりふわりと舞い降りる

 

ベビーカーを引いて歩くお母さん

仲良さそうに手を繋いで笑うおじいちゃんとおばあちゃん

颯爽と走り抜けていくジョギング中のお兄さん

 

 

あたしはここが大好きで

みんなが好きな場所なんだ

 

みんなの大好きがほのかにぎゅっと詰まってて

いろんな愛が見えるんだ

 

 嬉しさがこころの瓶に滴り落ちて溜まってく

 

 

まっすぐ前を見つめると

素敵な紳士な夕焼けがそっとあたしにお辞儀する

 

「こんばんはっ」

 

その笑顔はとても綺麗で可愛くて

あたしは“自分”を奪われた

 

立ち上がって涙が零れたことにも気付かずに

ただ…ずっと見つめてた

 

鼓動がはしゃぐようにはやくなる

この高鳴りがなによりもしあわせで “自分”になるんだ

 

林檎飴のような

甘酸っぱいこんな日をあたしのこころは忘れない

 

林檎飴。